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広報戦略の発想法

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真の影響力を発揮するために(5)

カルロス・ゴーン氏の強力なリーダーシップのもとで再生を果たした日産。
端から見ていると、まるでゴーン氏が魔法の杖を一振りしたかのような、
強烈なインパクトを伴う再生劇にも見えました。
しかしそれは決して魔法ではなく、イメージ先行の旧来型の企業活動から脱し、
生の企業活動や商品と結びついた、本来的なコミュニケーション活動、

広報戦略へのシフトが大きな成功要因の一つだったのです。

それまでの日産は、トップの対外的な広報活動や新製品のTVコマーシャル、
販促のコミュニケーション、全従業員に向けたインナーコミュニケーション、
その一つひとつが統一されたコンセプトを持っていませんでした。
その結果、「日産らしさ」とも言うべきブランドアイデンティティが
社内外で共有できない状況だったのです。

 

1999年6月に日産自動車のCOO(最高執行責任者)に就任した
カルロス・ゴーン氏は、こうした状況を良しとはしませんでした。

 

就任以前から無数の社員とミーティングを重ね、日産の置かれた現状を
分析したゴーン氏は、この会社には部門横断的な活動が決定的に
欠如しているとの結論に達っしたのです。

 

社内の誰もが会社に問題があると感じるものの、
それは自分の部署ではなく他の部署に原因があると考えている状況。
部署間の意思疎通も活発に行われていませんでした。
その証拠に、自社の出来事を社員が新聞で知るようなことがあったといいます。

 

しかし、それでは会社全体で意思を統一することもままならず、
各自がめいめいに自分の向きたい方向だけに目を向けて、
企業が一つに団結して大きな力を発揮する妨げとなってしまいます。

 

経営者側の重要事項を決定するプロセスも社員には明らかではなく、
会社が描く絵の全体像が社員には一部分しか伝わっていませんでした。

 

会社のこうした姿はグローバルな視野で仕事を行うことを阻害してしまう。
そう考えたゴーン氏は、部門横断的に意見交換を行うため、
トータルで約200人のスタッフからなる9つの
クロス・ファンクショナル・チームを結成し、
後に大いに世間をにぎわすこととなる"日産リバイバルプラン(NRP)"
の作成に着手しました。

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