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事例 「あなたの世界」をつくれ!
京都にユニークな企業があります。高級茶で知られる宇治市に本社がある、従業員20名ほどを抱える株式会社ハッピー。
この規模の地方企業としては異常とも言えるほどマスコミに取り上げられ、
急速にビジネスを伸ばしています。
なぜここまで注目されているのか。その秘密は、
「クリーニングの駆け込み寺」とテレビや雑誌で全国に何度も紹介された、
独自のクリーニングサービスにあります。
門外不出の独自技術で、とにかくどんな汚れでもシミでも落とします。
近所のクリーニングであきらめていたお気に入りの洋服が
見違えるようになって戻ってきます。「駆け込み寺」の所以です。
顧客はマスコミ効果と口コミで全国に広がり、2年間で登録顧客数は
全国1万4千件にのぼり、毎月250件の新規利用顧客に対応します。
2005年1月には登録顧客数が2万件を超えました。
さしずめ、「クリーニング業界の雄」といった存在に思えます。
ところがこれだけでは終わりません。むしろハッピーは
既存のクリーニング業界に勝負を挑んでいると言ってよいでしょう。
東京都衛生指導センターの調査によると、消費者の42%以上が
クリーニングに対しての「不満」を訴えています。
その主な理由は「シミ・汚れが落ちていない」ということです。
ハッピーはそんなクリーニング業界について、
「情報開示していないことをよいことに、シミを抜いていないものを
『いろいろ試みましたが、シミが落ちませんでした』のタグをつけ、
"コストをかけずにお客さまから処理代金をいただく"
そんな体質を持っている」業界と一刀両断します。
その一方で、この独自のサービス群を衣類の「ケア・メンテ」として、
ニューカテゴリー化をはかっています。
ケア・メンテとは、従来のクリーニングとは異なる、
「再生衣料」という新ジャンルと同社では位置付けています。
シミや汚れを完璧に落とすだけではなく、
寸法や風合いを買いたての状態に再生し、ニオイをとり、色を戻し、
お気に入りの一着を生き返らせるのです。
これは消費者がこれまで持っていた「クリーニング」という概念とは
明らかに異なるものです。
それははっきりと、「ケア・メンテ=再生衣料の登場」として
打ち出されるべきものであり、この再生衣料のコンセプト自体が、
同社の「世界」であり、同社が君臨できるニューカテゴリーなのです。
近所のクリーニング屋に向いていた不満がちな消費者の目は、
これで一気に京都に向かいました。
「今までより落としてくれるクリーニング屋さん」ではない、
「衣料品のケア・メンテ」という全く新しい世界の登場です。
ハッピーは独自の高度な技術による実力に加え、
このような「見せ方」広報戦略を戦略的に打ち出したことで、
短期間で多数の優良顧客の獲得に成功しました。
既存クリーニングサービスとの対抗軸に自らの世界をポジショニング
することで、同社のビジネスはさらに飛躍することでしょう。




