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事例 世間の関心事から自社商品に興味を惹きつける
「後姿が素敵な(だと思う)男性有名人は誰か?」
20代独身女性310名を対象にアンケートを行ったところ、トップは俳優の
「坂口憲二さん」で、続いて「木村拓也さん」という結果でした。
スポーツ選手では、サッカーの「ベッカム選手」の名前が一番多くあがった
そうです。「姿勢がよい」「筋肉の付き方がきれいそう」「頼りになりそう」
というコメントからも伺えるように、旬の人気者であり、さらに身体的に
優れて精神的にも信頼のおけそうな男性が上位に選ばれている――
こうした話を聞くと、一見、軽い芸能ネタのようだが、調査の背景には、
ある企業の広報戦略の発想があったのです。
この調査を行ったのは、大手製薬会社・ヤンセンファーマ。
製薬会社と上記の調査結果は何の接点もないように思われるかもしれません。
しかし、同社が発売する「ニゾラール」という薬と、実は大いに関係がある
のです。その種をこれから明かしていきましょう。
まず、ニゾラールとは何か。皮膚についた真菌(カビの仲間)を退治
するのに用いる医療用医薬品で、水虫などの白癬や皮膚カンジダ症、
脂漏(しろう)性皮膚炎の治療に用いられていいます。
このニゾラール、従来では皮膚に塗るクリーム剤だけが販売されていたが、
2003年7月にローションタイプのものが新規に発売されることとなりました。
さて、ここまでニゾラールにについて聞いて関心を持つ人はどれだけいるでしょう?
相当少ないことが容易に予想できますよね。
そこで、ヤンセンファーマが焦点をあてたのが、脂漏性皮膚炎によるフケ症
という疾患です。脂漏性皮膚炎というのは、皮脂が過剰に分泌され、その影響で
皮膚炎を起こし、強いかゆみを感じたり、皮膚がかぶれたりする病気で、
これが頭皮に発症するとフケ症となってしまうことが多いそうです。
従来のクリーム剤では、髪にベタッと薬が塗りついてしまい、頭皮に塗るのは
困難でしたが、ローションタイプであれば塗りやすい。
ヤンセンファーマでは、ローションタイプの発売をきっかけに、頭皮の
脂漏性皮膚炎という疾患の存在、また、それにともなうフケ症を抑えるために
薬剤による治療が可能だということをメディアで訴求していくことを決めたのです。




