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事例1-2 育毛剤「ロゲイン」のPR戦略
停滞気味になった育毛剤「ロゲイン」がとった広報戦略は、『米国人が潜在的に持つ「多様な民族」への興味を
頭髪の問題に結びつける』という、
まさに"情報のマーケットイン"発想から生まれた戦略です。
同社はスポンサーとして著名な文化人類学者と組み、
「アメリカの少数民族と頭髪の関連性」をテーマに調査研究を行い、
結果を発表しました。
このユニークな調査は、米国のメキシコ系アメリカン、
ナバホ系インディアン、アーミッシュなど異なる文化的背景を持つ
民族間の違いを、「髪の毛」を切り口にあらためて解き明かす
非常に興味深いものになりました。
髪の毛にまつわる信仰的な違いとその意味や、毛髪のケアに関する
生活習慣上の違いなど、いわゆる「へぇー」と言わせる
「トリビアの泉」的な事実をまとめあげたのです。
これは大いに米国マスメディアの興味を引き、全米の新聞やテレビで
報道され、果たしてアップジョン社の狙い通りの結果となったでです。
この話題性にあふれた報道を通じてアップジョン社が伝えたかったことは、
以下のようなシンプルなものでした。
1.頭髪は民族の文化的アイデンティティを示す重要なシンボル。
いかなる文化的背景においても、「薄毛」は、
「老いと死」にまつわるネガティブな連想を呼び起こすものである。
2.この研究のスポンサーはアップジョン社であり、臨床的に実証された
唯一の発毛剤「ロゲイン」を提供している。
これだけを言いたかったのです。そして、これで充分なのです。
言われてみれば実に当たり前ですが、つまりアップジョン社は、
こうしたシンプルなメッセージがなかなか伝わらない環境に
なりつつあることを認識し、
メッセージを再び米国中に投げかけることが、ビジネスにおいて大きな
「影響力」を及ぼすと判断し、仕掛けを行ったのです。
そのために実に入念な準備をしました。これを大きな声で言うために、
「みんなが聞きたいこと」をまずは準備したのです。
そしてその狙いどおり、この面白い調査結果をフックに、
再び米国は「毛生え薬」の話題に沸き、
また「ロゲイン」の需要も活性化する結果となったのです。




